南京結びを覚えよう。トラックに載せる荷物をロープで固定したい。

南京結びで荷物を固定されたトラック ロープワーク

南京結び

ホームセンターなどで木材や商品を買ってトラックに積み込んだはいいものの輸送中に風や揺れで荷物が飛ばされるのではないかと不安になることがあると思います。そういうときにおぼえておくと便利な荷物固定用のロープワークが 南京結び です。

海外ではワゴナーズ・ヒッチ(Wagoner’s hitch)、日本では万力結びなどと呼ばれています。今回は南京結びのやり方を解説していきます。

初心者の方はとりあえず固結びで荷物を留めると思いますが、締め付ける力が弱くロープが緩んで荷物を固定することができなかったという方も多いのではないでしょうか。南京結びロープに強力なテンションをかけることで荷物をトラックの荷台に固定することが可能です。

楽しくDIYを続けるうえで安全対策はかかせません。この機会に南京結びを練習してみるのもよいかとおもいます。

以前に自作したロープワーク練習用の器具がありますので今回はそちらを使って解説していきます。 トラックをお持ちの方は荷台に箱なり木材なりをのせて練習を始めてください。

今回使用するトラックロープ

今回の例では少量~中サイズの固定を想定して短めの端に輪がついているトラックロープを使用します。

南京結びの手順

1.まず、まとめてあったトラックロープ束をばらしてひととおり触って変なよれが無いか確認してください。 

南京結びはテンションをかける結び方なのでロープの途中で小さなよれができていると負荷がかかりロープにキンクが発生することがあります。

ロープを傷める原因になるので可能なら確認しましょう。 

キンクとはロープを構成するストリングがよれて飛び出し変形することで元の形状に戻らなくなることを言います。

トラック右舷側での作業

トラックの荷台についたフックにトラックロープの輪をひっかけた画像
2. 右舷側から見た写真。トラック荷台右舷の側アオリ板にあるフックにロープ終端の輪をひっかけます。
トラックの荷物のうえに
トラックロープがさしかかっている画像
3.右舷側から見た写真。 荷台に載っている荷物のうえ(板の上部を荷物の頂点だと思ってください)にロープをかけてトラックの左舷側にロープの余り部分を持っていきます

荷物の上を通りトラックの左舷側にロープが来ている状態になりました。これ以降の画像はトラックの左舷側からの視点ということになります。

ここから本格的に南京結びを始めていきます。

トラック左舷側での作業

南京結びの最初の輪つくる画像
4.左手で荷台側のロープを持ち、右手で余っている側を持ちます。 そこからこのようにS字の形を作ります。

南京結びの最初の輪ができた状態の画像
5.右手側のロープをたわませて輪を作ります。 輪の長さは10cm以上あった方がいいですね。

南京結びの輪を左舷側から来たロープと交差させている画像
6.できた輪を左手側のロープと交差させます。

南京結びで最初の輪に左舷側からのロープを巻き付け結び目を作っている画像
7.交差させた部分を右手で持ち、左手で左手側のロープを上からぐるりと交点に引っ掛けます。 1回目

南京結びで二度目の結び目を巻き付けている画像
8. 7で巻いた結び目のさらに右側(荷台から来ているロープ側)に7と同じ手順でもう一回巻き付けます。
南京結びで滑車の役割を果たす輪ができた画像
9. 一回目の結び目のさらに内側にかけることで結び目がロックされます。張っている状態ではほぼ解けません

南京結びの滑車の役割を果たす輪の画像
10.下側の大きめな輪を持ちます。
南京結びで滑車の役割を果たす輪を半時計回りに半回転させている画像
11.輪をつかんで捻ります

南京結びで滑車の役割を果たす輪に左手を差し込む画像
12.できた輪に左手を刺し入れ、奥の余っている側のロープを掴みます

南京結びで滑車の役割を果たす輪から余りのロープを引き出している画像
13.輪から余っている方のロープをフックまでの長さの分だけ引きずり出します。 左手で強く掴まず滑らせるようにロープを伸ばしていき、折り返しの部分をフックにひっかけます。
南京結びで滑車の役割を果たす輪にかかっている余ったロープを引っ張ってテンションをかけている画像
14. フックにロープをひっかけたらロープの余っている側を持ち下に引っぱります。 一度自分の体側に引きつけるようにしてから下に引くことでより強力にロープを張ることができます。

これでロープにテンションがかかり荷物がトラックに押さえつけられた状態になりました。

原理的には中間の輪が滑車の役割を担い、弱い力でも長く引けば強い力がかかるという滑車の性質を利用してロープを張っています。

ではロープを固定する作業工程に移りましょう。

 

ロープの留め方

ロープが張っている状態になっています。

引っ張りながらだと手元の工程がとりにくいのでここだけ別撮りしています。実際には左手で張りを維持したまま行います。

南京結びをトラックのフックに結びつけるためのロープの初期状態
15.左手でロープの張りを保ちつつ、右手はこのような形でゆるく持ちます
南京結びのトラックのフックに結びつけるための結び目を作ろうとしている画像
16.右手を開いて人差し指にロープをひっかけている状態にします。

南京結びのトラックのフックに結び詰めるための結び目を作るために右手をロープの輪に刺し入れている画像
17.右手を内側に捻りこみます。右手の甲が見えるようにします。 右手親指で軽くロープの交点をおさえます。
トラックのフックに引っ掛ける南京結びの輪の画像
18.右手親指で交点を押さえつつ、手首を軸にして縦に回転させるように指を引き抜くとこのように輪ができます。余っている側のロープが交点では上にくるように交差させてください。

トラックのフックに南京結びの輪をひっかけているところ
19.長さを微調整してフックより下側まで持っていき、余ったロープ側が上の状態を維持したまま輪をフックに引っ掛けます。その後ゆるまないようにロープを引きます。

トラックのフックに二度目の結び目を作ろとしている画像
20.ロープを引き締めたあと、
ふたたび先ほどと同じ手順で輪を作り、下側からフックにかけます。

フックに 二つの結び目ができたらロープを引っぱり締めます。

あとはロープの余った部分をトラックの荷台に放り込めば作業は終了です。 

南京結びが完了した画像
21.南京結びの完成画像

これで基本的な南京結びは完了です。お疲れさまでした。

さらに強力な締め方

余り側のロープを荷台に投げ入れる前にトラックの側アオリ板と張ったロープとの隙間に余りのロープの一部をねじ込むことでより強くロープにテンションをかける方法もあります。ただし、テンションが強いと荷物の種類によってはつぶれてしまうこともありますので状況に合わせて張り方の強弱を使い分けてください。

ほどき方

最初に作った耳のような部分の結び目かフックの結び目を解けば意外なほど簡単にほどけます。

南京結びはトラックでの荷物の輸送を助けてくれるロープワークですのでぜひ練習してみてください。 

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